序章

5/21
2789人が本棚に入れています
本棚に追加
/449ページ
「「嫌だ」」 「何………だと………!?」 見事にハモった僕達の答えに、寛智はがくり、とうなだれた。 「勝手にひとりで行け」 「嫌だおwwwww沙羅たん一緒にいこうよーwwwww」 「うわっ離せばかっ!」 沙羅に抱きつく寛智だったが、僕はすぐに二人を引き剥がす。 「沙羅にくっつくな、穢れる」 「あべしwwwww」 僕はオタクを蹴り出して、沙羅を抱き寄せる。 沙羅は目を微かに見開き 「歩…ーー ………キモい」  「ぐはっ」 僕は沙羅から痛烈な一撃(言葉)を浴び、倒れる。 そうなのだ………僕にはたった一つの弱点がある。 ………そう、僕は可愛いもの(人)が大好きなのだ。 こう、内面的な可愛さね。沙羅は本当は凄く可愛いのよ!時折見せる赤面した顔とか、照れ隠しとか、俯きながら小さくはにかむ姿とか。 他にもかわいい子いっぱいいるけど、彼はピカイチなのだ。しかも、彼ったら 「……いっ!」 「さっさと戻ってこいニット帽男」 頭を教科書で叩かれ、我に返る。
/449ページ

最初のコメントを投稿しよう!