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ここで、僕の容姿を説明しておこう。
身長は174センチ。真っ黒の髪と瞳。いつもニット帽(もちろん耳付きね)をかぶっているのだから、これがみんなから覚えられるチャームポイントとなっている。実際は校則違反なのだが、風紀委員長である五十嵐爽<イガラシ ソウ>にから「俺が委員長である間は許す」と言ってくれた。
さすが沙羅たんの彼氏である。
「フッ……フフフフフフ」
隣で寛智が変な笑い声を上げながらゆらりと立ち上がる。
「歩君、もちろんタダとはいわないよ」
寛智は懐から写真をいくつか取り出し、僕だけに見せる。
「一緒に行ってくれたらこの、沙羅たんを含めた君の大好きな可愛い人達の写真達をあげようではないか」
「乗った。あなたにどこまでもついていきます」
「あ、あ、歩行くのか?」
戸惑う沙羅に、僕は「僕の萌のため」と満面の笑みで頷く。「ふぅん」と冷たいまなざしを向けられるが僕はめげない!
「大丈夫だよぅー僕は沙羅を置いてったりしないよぅー」
「あ?」
「ごめんなさい。抱きしめてあげるから許して」
「はあ?ちょ、やめっ……」
「そこまでだ。もうチャイム鳴ってっぞ」
上から降ってきただるそうな声に、僕は固まる。腕の中の沙羅も固まったのが分かった。
「いちゃつくのは後でにしろよ」
僕は沙羅から離れ、いそいそと席に着く。そのときの彼の顔がまだ真っ赤だったのが笑えた。
そんな僕らを激写していた寛智。あとで沙羅の写真もらおう。
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