序章

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ちなみに席は、廊下側の後ろから二番目に廊下側から沙羅、僕。僕の前に寛智がいる。 担任の、寛智的に言うホスト教師は面倒くさがりなのか、席は自由にしてくれた。 この学園、1クラス40名の7クラスまであり、その中の勉学での特待生は3人いて、僕と沙羅と寛智(不思議だ)である。 このクラスは学年で一番家力が強いクラスだ。だからなのか生徒の態度が高圧的で、顔と権力にしか目が向かない。……まあ僕のクラスはそうでもないけれど。 「次、移動。早く準備しないと置いてくぞ」 先程のことを根に持ってるのか、いつもよりムスッとした沙羅の声に、我に返った。 「とか言いつつ、待ってくれるんだから。沙羅優しい」 「ーッ先行く!」 ありゃりゃ。怒らせてしまったか。 大股で先に行ってしまった沙羅を残念そうに眺めていると、寛智に 「フ………仕方がないwこの全知全能な我が一緒についていって「行くか」 「ちょwwwwwお待ちになってお代官様wwwwwwww」 僕は寛智と共に沙羅を追いかけた。 ……………… 昼休み。 僕と沙羅と寛智は学食に食べに行くことにした。 とんでも長く広い廊下を見ていると、3年でここも慣れるのかなーとか思ってみる。 ガチャ、と馬鹿でかい扉を開けると、中にいた生徒が全員こちらを見ていた。 一瞬、沈黙。 「キャアアアアアアア!!!!」 大絶叫が食堂を包んだ。 僕は毎度のことに、耳を塞ぐ。寛智は顔を若干ひきつらしつつも笑顔。 「難波様……今日もお綺麗で……」 「可憐だわ………」 「あいつ抱きてぇ」 「五十嵐様は今日はいないのかしら……」 「何あの平凡とオタク。いつも難波様に纏わりついて」 「あの方とはつりあわないの分かってないのかしら」 毎度のことながら、一つ言わせてくれ。 おまえら、小学生か。 ………これが、前にも言った、顔と権力にしか目がいかない、という意味だ。 人格を外見でしか判断しないって、お前らアホだろ。
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