桃太郎

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昔々桃太郎という1人の青年がおりました。お供に犬猿雉を連れて鬼ヶ島へ鬼退治をしました。今は帰路についたところから物語は始まります。     桃太郎「本当にみんなありがとう。みんなのおかげで鬼退治が出来た。お爺さんお婆さんに良い報告が出来るよ。」   桃太郎は感謝の言葉をお供である三匹の動物に対してのべるのであった。 そして三匹との別れの時…   桃太郎「僕は一生君たちを忘れない。共に戦った勇敢な友の事を…。」     そう言い残して桃太郎はお爺さんお婆さんの元へと帰って行きました。     猿「…行ったか。」   雉「えぇ…桃太郎さんは素敵な方でした。自らの危険を省みず鬼退治をするなんて。」   犬「確かに桃太郎は凄い奴だ。鬼の財宝を独り占め出来るのにそれをせず、村人たちに配るみたいだしな。吉備団子目当てに近付いた俺からしたらな。」   各々は短い付き合いであったが桃太郎の事を慕い、自分達にとって素晴らしい存在であったと改めて認識するのであった。 そんな中、1人の…いや一匹の発言が大きな波紋をもたらすのである。     猿「…桃太郎は凄ぇ奴だった。なんせ人間如きが刀一本で鬼とやり合うんだからな。まぁ桃太郎と俺様1人いれば鬼退治は十分だったがな。」   犬「それは聞き捨てならないな。俺には立派な牙と爪があるが、何も持たぬ猿ごときが桃太郎のお供にさせてもらえた方が驚きだよ。」   猿の発言に対して犬は憤りを感じ、猿に対して挑発するかのような態度をとった。     雉「まぁまぁ皆さんそれぞれに活躍されてますから良いじゃないですか。」   雉はその場をなだめようとするが、それが更にこの状況を悪化させるのであった。     猿「鬼ヶ島に行くのに船も漕げない奴が役にやつだと?それにただ飛んでただけの奴がさも私は役に立ってました…とでも言いたいのか?」   犬「確かに雉は空を飛んでるだけだったな。そんな奴が役にたったとは言えないよな。それに武器もないから鬼退治もろくに出来ないしな。」   これに対して雉は冷静さを多少欠きながらも反発する。     雉「確かに私は船を漕ぐことは出来ません。しかし、私は空から鬼ヶ島までの道を知り案内しました。それに鬼退治にしては私の爪と嘴で多くの鬼を懲らしめましたよ?」
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