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手違いである、そう愚痴る人物が居た 大きく溜め息を吐く女性が一人、染めてない本物の金髪、えらくデカイ胸、それに負けない位の肢体グラビアにでも出れば一儲け出来そうなくらいだ ただし出ればの話だ、彼女の右顔面には大きな火傷の跡があり、ケロイドで皮が強張っている、そのおかげで笑うと右だけ歪になる しかし彼女はその顔は気に入っている方だった、身体目当ての変な奴が近付かないからだ そんなことより彼女は溜め息を付いている、その手には預金通帳がある 今は夏休みが始まってから3日目、8月3日であった、そのわりには残高が心許ない、というかほぼ0だった ぶっちゃけ気に入ったマウンテンサイクルに内職のバイトで手に入れた収入を全部突っ込んだのだ そのお陰でスカンピンなのだ、財布にも一銭の金はない そう、秋宮杏子は無一文である 「バイトしかねぇかなぁ……、ぐへぇ」 親に仕送り送って貰えばいい話なのだが、当の本人達は海外旅行中なので家に居ない、故に資金を送ってもらう人がいないのだ
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