君がくれた色彩

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「待った?」  小鳥がさえずる様な声と共に、振りかえると夢中さんが里中の服の裾をひっぱていた。  振り返った瞬間、二人の横を快速電車が通過する。 「おっと」  里中は、ちょっと浮き上がった帽子を押さえ、彼女の頭を押さえる様な形で帽子を守った。 「もう良いみたいです」  夢中さんは、そう言うと帽子越しなのに触れられる事にちょっと恥ずかしそうにしていた。  当日、駅で待ち合わせをする事になっていたので、里中は結構な早さから此処に来ていた。 「改札の外で待ってたので気が付かなかった」
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