交差する世界

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「お父さん亡くなられたんだ、夢中さんのお母さんは?」 「母は今ちょっと仕事で此処を離れてるの。折角、稼業から離れたんだし自分のしたい事するんだって」  そう言いながら、夢中さんはほほ笑んだ。 「子宮頸がん…………治らないの?」 「ううん!治るよ発見早かったから………………でも」  少しだけ言い淀む。夢中さんはゆっくりと髪をかき上げると答えた。 「子宮、全摘出なの……………だから女としては三島君の言う通りなんだと思う」  つまり彼女はもう子どもが産めない体になってしまう。  女性として、これほど辛いことは無いのだろう。
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