交差する世界

18/49
前へ
/167ページ
次へ
「そう……………なんだ」  里中自身どう答えていいか解らない。しかし、彼女の苦しみを助けたいという気持ちは確かにそこにあった。 ーーーーーー長い沈黙。  視線が合うと気恥かしかった。胸の鼓動は早くあの時の様に五月蠅いほどに高鳴った。 「コーヒー…………今度は僕が入れるよ」  里中は立ち上がりキッチンへ向かおうとした。  しかし、不意に肩にのしかかる重みとシャンプーの香りがした。  背中から夢中さんが抱きついて来た。 「…………………私」
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加