君がくれた色彩

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 気にしても仕方ないと、二人で電車に乗り込む。 「今日は何処から廻る?」  水族館には三つのルートがあった。里中が事前に下調べした成果である。  何処から進んでも、結果としては同じ物が見られる作りになっていた。 「まだ考えてない、里中君はどれが良いと思う?」  夢中さんはちょっと首をかしげながら此方を見て来た瞬間、胸が高鳴る。 「じゃ、じゃあ僕の希望するコースでも良いかな?」  今顔を見られたくない、きっと物凄く赤くなっていると思い視線をそらした。 「わかった、じゃあお任せするわね」
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