マドンナ

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教室に入ると仲がよかった人達ですでにグループを作っている者。 静かに席について新しい環境を観察する者。 携帯をいじる者。寝ている者。 さまざまな者がいたが小田切美沙はそっと窓の外の景色を眺めていた。 一瞬目が合うかなーと期待したが、俺は静かに席に着いた。 ガラガラッ 「みんなおはよう!」 ばらばらだったみんなの目線は、その声と共に集中した。 「私がこの2年D組を担当する…」 カッカッカッっと汚れひとつない黒板に真っ白なチョークで書き出す。 「平沢だ。みんなよろしくな。」 女性教師が担任だなんて、男子高校生としては浮かれずにはいられない。 大人の女性の魅力がむんむんと発せられた平沢先生に、男子諸君は見惚れていた。 平沢先生は手についたチョークの粉をパッパッと払った。 「よーし、ではさっそくだが、自己紹介をしてもらいたいと思う。」 「えーー!?」 クラス全体が苦い顔をする。 おいおいィ? 高校2年生だろ? 自己紹介のひとつやふたつで騒ぐ… 「なお、自己紹介のうまかったものには先生からご褒美があるぞ。」 「えええーー!?!?」 生死を分ける闘いか今始まろうとしている…。
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