2013年3月

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足元からせり上がる感覚に身震いを起こし、熱のこもる皮膚に指先を絡めた。 指の先から心臓に伝わる鼓動に力を加えて否定する。 知らず知らずにこぼれた涙を拭う事なく、俺は崩れ落ちたそれを埋める。 誰にも知られないように深く深い底深く。 これで逃げられるのだ、と。
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