5/6
前へ
/17ページ
次へ
いつもと違う北条くんを取り巻く空気に戸惑っていると、さらに北条くんの顔が近づく。 「え…?」 驚く間もなく唇が塞がれていた。 目を見開いたまま、私はなすすべもなく、目の前の彼を見上げて唇を受け入れる。 抵抗も、拒絶することも思いつかず、動くことも出来ないでいると、彼は口づけを激しいものに変える。 「んぅ…んっ…ふ、…あっ…」 身体がとろけてしまいそうな、激し過ぎるキス。 息継ぎさえままならず、苦しげに吐息をこぼせば、 「もっと…口を開けて、…よくしてあげますから」 息継ぎの合間に北条くんが囁く。 舌先が痺れる。 ゾクゾクする。濃厚すぎる口づけに酔い、気を失ってしまいそうな気持ち良さに突き落とされる。 膝が震えて腰から力が抜けると、やっと北条くんは唇を離した。 「はぁ…はっ…ぁ…はぁ…」 肩で息をする声に甘さが混じる。 唇の端にこぼれ落ちた露を、彼が舐め取る。 「頬が真っ赤…可愛い…」 驚き過ぎて、声をだせずに口をパクパクさせてる私に、悠然と笑みを浮かべた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加