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「…な、何のまねよ、これはっ!」
「ご奉仕のひとつ?」
「理由を言いなさいと言ってんの!このバカッ!」
私はベシッと北条くんの頭を思いっきり叩いた。
「そうですね…、きっかけは…入学してすぐの頃、たまたま隣に乗り合わせた電車だったんです…」
北条くんは、私に叩かれた頭を撫でながら語りはじめた。
「藤原さんは、すごく疲れてたみたいで、オレの肩に寄り掛かって寝ちゃったんですよね。
生徒会の仕事をバリバリこなしているとこ見てたんで、藤原さんだって知ってました。
藤原さんってクールで厳しい人なんだろうなって思ってたんです。
それが、くつろぎきった顔して寄り掛かってくるからびっくりしましたよ」
…悪かったわね、ゆるんだ顔さらして!
「でも、その無防備な様子とぬくもりを感じたら、何故か胸がザワザワしてきて、無性に、ずっとこのままでいたいとか、もっと甘やかしたいとか、心地好い気持ちにさせたいとか…さまざまな思いにかられたんです。」
私を真っ直ぐな瞳で捕らえて告白する。
「要するにその時、恋に堕ちたんですよね」
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