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恋に堕ちた?
「ただ寄り掛かっただけで?
何か思い違いじゃないの?」
「ないですよ」
北条くんはきっぱりと否定した。
「だってオレ、その時、勃ってましたから」
…え…、タッテマシタカラ…って…え?ちょっと、それって…
衝撃的な理由に白くなってる私に更に追い撃ち。
「これって疑いようのない証拠品でしょ?」
いや…証拠品て…、それはキミ、ただ発情しただけじゃ?
「ねぇ、オレにとっての有意義な事って、藤原さんの傍にいて色々世話してあげることなんだよ。
高校で陸上部に入らなかったのだって、時間がとれなくなるって分かってたからだ。
それくらい、こっちが大事なんだよ」
頭上から静かに降り落ちてくる声が、ひどく優しい響きで語りかけてくる。
「本当の気持ちを言っちゃったから、引け目を感じたかも知れないけど、出来れば駅伝とかで、体よく追い払わないでほしいんだけど」
真剣な眼差しに見詰められる。
「別に駅伝のことは追い払うためとかじゃない。
ただ私が、あまりにも傲慢な感情を北条くんに対して持ってるから、このままだとダメだと思って…」
私は、今日知ってしまった気持ちを話す。
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