21人が本棚に入れています
本棚に追加
「両想いと分かったことだし、これからはもっと思う存分世話させてもらいますね。イロイロとね」
イロイロのくだりを言う時に北条くんが、耳元で囁くようにしゃべる。
「ちょっ、ちょっと待って!」
私は慌てて、北条くんから離れる。
「あのね、私…、世話焼かれるのは本来苦手なのよ」
「今までもオレ、世話してきたけど?」
「そ、そうなのよね。
なぜか北条くんだけ平気で」
「じゃあ、問題ないですよね」
「う…」
ふーっとため息をついて、少し考える仕草をしてから、北条くんが提案する。
「しょうがないか、藤原さん自覚してなかったし…、
じゃあさ、甘えたくなったら命令してください。
藤原さんは頼られるのは慣れてるけど、甘えるのは苦手そうだから。
さてと、これから生徒会室に顔出しに行きますか?」
教室のドアに向かいながら問いかけてくる彼に腕を伸ばす。
「…北条くんッ」
「はい?」
私は頬を赤く染めて、北条くんに命令する。
「もう一度、キスしなさい」
愛しそうに目元を細めた北条くんは甘く微笑む。
「おおせのままに。愛さん」
最初のコメントを投稿しよう!