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それは生徒会役員立候補者演説会の時に起きた。 『えーと僕たち細川ツインズに投票してくれたらー、ふたりで会長やりまーす』 『でもー、僕たちだけじゃ仕事がちゃんとできるか不安ですよね?僕たちもうまく出来ない自信ありまーす』 『でも大丈夫!僕たちにはもれなくシッカリ者の藤原愛ちゃんがついてきますからー!!』 はあっ?なんじゃそりゃーっっ! なんでそこで私が出てくる! ってか「それなら安心か」なんて納得するなーっっ! 『『だから大船に乗ったつもりで投票してくださーい!』』 ―――て…あんな立候補演説をする方もおかしいと思うけど、それに票を入れる方も入れる方だ。どうかしてる。 圧倒的支持率で当選してるし。 「だいたい優と秀!昔っから面倒かけてくれたわよね!」 ビシッと双子を指す。 「何か困ったことがあれば私に押し付けたり、後始末つけさせたり、アンタらの相談をアンタらの担任からもされたりしたし…私はアンタらの保護者じゃないっつーの!」 なんかイロイロ色々思い出してきた。 「「ううーん、頼りにしてるってことじゃーん♪愛があるんだよ愛が♪ ホントホント大好きだから、つい甘えちゃうんだよ♪」」 「迷惑よ」 ホント迷惑。 「「またまたぁー、そんなこと言ってー♪何だかんだ怒りつつも、ちゃんと面倒見てくれるじゃん♪ そうそう、生徒会業務だってこうして文句言いつつやってくれてるし!」」 双子の言葉に今さらながらに気付いた私は、ガックリとうなだれた。 「そうだ…言うこときく必要なんてないのに…、どうして私はコイツらの宣言通り仕事してるのかしら…」 その時、すっとコーヒーのはいったマグカップが「どうぞ」と、差し出された。 「ん。いつもタイミングが良いわね、ありがとう北条くん」 マグカップを受け取り、北条 広海(ホウジョウ ヒロミ)くんにお礼を言った。 「いえ」 北条くんは、にこりと笑った。 「「あーーーっっ」」 馬鹿ツインズが叫び声をあげた。
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