夢の学園生活

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夢の学園生活

夢焔は心躍っていた。 尻尾のゆらゆらとリズムを奏でるように揺れ、黒い獣耳もピクピク動いていた。 「夢焔…。」 ウキウキと鞄に荷物を詰めていると、頭に声が響いた。 「どうしたの、氷淵。」 氷淵は夢焔に憑いている悪魔モドキの神様である。 彼は依り代となるものが居なければ、この世に存在出来ない。 夢焔は、器に選ばれてしまったもの…。 いつか、夢焔の魂は消滅し、この身体は氷淵のものとなってしまう運命にある…。 「明日から学校だが、いつも通り、素ではなく、限りなく幼く生活すること!」 「ほいっ!むーた、わかってる。あくまモトギはめずらしい。つよければ、つよいほど、ねらわれる。よわいふり、かしこいほうほうっ!」 「あぁ、そうだ。俺達が少しでも一緒に長くいるためだ…。」
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