序章

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 突然だが諸君、リア充が憎いとは思わないか?  やれバレンタインだ、夏祭りだ、クリスマスだと、なにかイベントがあるたびに騒ぐリア充が憎いとは思わないか?  俺は思う。心底憎い。爆発しろ。  え? 僻み乙? うるさいな、そんなの分かってるよ!!  でもな、友達すらまともにいない俺が、彼女なんてできるわけがないだろ!?  世の中は理不尽だ。イケメンは友達がたくさんいてモテる。俺みたいなゴミは友達もいなくてモテない。  なんでだよ! なんでモテないんだ!! 俺は存在価値すらないってかちくしょー!!  ……とまあ、そんな具合で不貞腐れていた春。今年から高校生になるというのにもかかわらず、俺は彼女どころか友達すらいなかった。悲しい。こんな現実なんてなくなってしまえ。  なーんて思うけど、現実ってのは本当に非情で、そんな俺の願いは一生叶うことはないだろう。はあ。辛い。 「うわ、何その顔。いつもヤバイけど今日は一段とヤバイわよ。特に目。腐った魚みたいな目してる。うわあ……」 「ねえひどくない? 一応俺、母さんの子供だよ? なのになんでそんな容赦ないの……」  そんなことを考えながらリビングへと向かった朝。朝食が並べられているテーブルへと座って第一声がそれだ。おはようだろ普通……。 「だって事実だもの。さ、ご飯食べるわよ。あとおはよう」 「うん、もう何も言わない。おはよう。いただきます」  母さんがエプロンを外して座ったところで朝ごはんを食べる。相変わらずあんなに子供のことを貶すくせに料理だけは上手い。クソ、なんか負けた気がして悔しい。 「そういえばあんた、今日から学校よね。今年こそはちゃんと友達作るのよ」 「わーってるよ。流石に高校生にもなって友達ゼロは悲しくなってくるからな」  どういうわけか、友達がいないことは小学校の頃からずっと看破されてきた。本当に何者だこの母親は。なんで一言も喋ってないのにわかるんだ!
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