序章

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 クラス表を受け取った俺は、それを見ながら体育館へと入る。とそこで、体育館履きを忘れたことに気づいた。しゃーない、靴下のまま頑張るか……。 「クラスは……あった、2組か」  クラスは全部で4組まであった。そのうちの2組のスペースへと足を向ける。  そこには既に人は大分いて、同じ中学から来たもの同士で固まって話していた。ちくしょう、俺友達いなかったから話す人いねえ。 「はあ……」  仕方ない。とりあえず、来た順番で座るみたいだし、さっさと席についてしまおう。  右手に靴を持ちながら席のある場所に移動するとそのまま座る。一人だけ靴下ってなんか惨めだな。突っ込んでくれる友達もいないから尚更……。 「辛い……」  自爆した。自覚したら更に辛くなった。あれ、おかしいな、目から汗が……。  そんな時だ。体育館全体が文字通り『震えた』。 「おい、なんだよあの子!」 「めちゃくちゃ可愛いじゃん……」 「スタイルもいいし」 「髪キレー!」  何だなんだと見てみれば、体育館の入り口から一人の女の子が入ってくるところだった。 「あー、まあ確かに可愛いなぁ。でもどうせ友達もできない俺に縁はないし、どうでもいいや……」  だが、ネガティブモードの今の俺には、その女の子の容姿なんてどうでも良かった。どうせ仲良くなれっこないし。そんなことより友達だ。友達がほしい。切実に。  そんなことを考えていたからか、俺は気づかなかった。その注目の女の子が俺の隣に座ったことに。そして、声をかけられていたことに。
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