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赤面する俺とニコニコ微笑む天使。傍から見たら相当おかしな図なんだろうなあ。穴があったら入りたいどころか埋まりたい気分だ……。
「あ、そろそろ始まるみたいですよ?」
そんな感じで落ち込んでる俺に、白鳳院さんから声がかかる。どうやら大分時間が経っていたみたいで、気づけば生徒の殆どが着席していた。時刻も入学式まで後二分ほどというところだ。
「み、みたいですね……」
人見知り辛すぎ。この人気持ち悪いとか影で言われないかなあ……。……いや、白鳳院さんに限ってそれは絶対ないな。うん。断言できる。だって天使だし。
「チャイム、なりましたね」
自分をこれでもかと卑下してると時間が経つのが早いなあ。チャイム、全く気づかなかった。アハハ。……はあ、悲しくなってきた。
というかチャイム気づかないとか、どんだけ自分を貶すのに夢中になってたんだ俺は。
「そ、そうでひゅっ……そうですね……」
そしてまたもや噛む俺。自分の顔だから見ることはできないけど、明らかにまっかっかだ。断言する。
……もうほんと穴があったら埋まりたいレベルで恥ずかしい。
「ふふっ」
しかし隣の天使はというと、ただただ微笑むだけでバカにしてきたりはしない。天使は本当にいたんや……。
「えー、コホン。これより入学式を始めます。まず始めに、学校長より挨拶です」
そんなやり取りをしていると、壇上に上がった司会進行役であろう生徒が入学式の開始を告げていた。
「入学おめでとう諸君。私から言いたいことはただ一つ、各々学校生活を楽しむように。以上だ」
学校長は凛々しい佇まいに反さぬ凛々しい一言を残し、髪をなびかせながら去っていった。ナニソレカッコいい。というか話しみじかっ! 普通もっと話すもんじゃないの!?
「とても凛々しくてカッコよい人ですねえ」
隣の天使もこれには流石に驚いたのか、あらまあと口に手を当てながらそう言った。
「ですねえ」
よしっ、噛まずに言えた! 思わず小さくガッツポーズ。
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