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「よっ力也(りきや)。元気か。」
想介(そうすけ)は中学からの友達で、一緒の高校に通っている。
弟とは違う高校に進学したから校内ではいつもこいつといた。
「遊びに行かないか?」
…そんな気分じゃねーよ。
お互い何も喋らず沈黙が続いた。
それから先に想介が口を開いた。
「力也、サッカーでもしに行こうぜ!運動久々だろ?スッキリするぞ!」
このお節介野郎が。
「もうほっとけよ。相手なら他にいるだろ」
「そんなこと言うなよ。俺にとってはお前が大切なんだよ。俺じゃ代わりにはなれないけどさ、2人でも遊んだりしたじゃん。お前はいなくなって欲しくないんだよ。少しでいいからさ、サッカーしようよ。」
こいつはこんな俺のことを思ってくれているいいやつだ。
自分の中で弟に代われる存在などいないけど、
こんなこと言ってくれるのはもうこいつしかいない。
「わかった。」
そして想介と2人で公園に行くことにした。
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