第1章 洗脳

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「よっ力也(りきや)。元気か。」 想介(そうすけ)は中学からの友達で、一緒の高校に通っている。 弟とは違う高校に進学したから校内ではいつもこいつといた。 「遊びに行かないか?」 …そんな気分じゃねーよ。 お互い何も喋らず沈黙が続いた。 それから先に想介が口を開いた。 「力也、サッカーでもしに行こうぜ!運動久々だろ?スッキリするぞ!」 このお節介野郎が。 「もうほっとけよ。相手なら他にいるだろ」 「そんなこと言うなよ。俺にとってはお前が大切なんだよ。俺じゃ代わりにはなれないけどさ、2人でも遊んだりしたじゃん。お前はいなくなって欲しくないんだよ。少しでいいからさ、サッカーしようよ。」 こいつはこんな俺のことを思ってくれているいいやつだ。 自分の中で弟に代われる存在などいないけど、 こんなこと言ってくれるのはもうこいつしかいない。 「わかった。」 そして想介と2人で公園に行くことにした。
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