狭間 論理

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はじめまして、諸君 早速だがここに林檎がある 艶のある赤い果実が真っ白な皿に飾られている では、この林檎をこの皿の上から動かす事なく林檎の中の種だけを取り出す方法を考えて欲しい 安直に考えるか 複雑に考えるか 屁理屈をこねまわすか 発想を転換させ奇抜なアイデアを産み出すか 多種多様やりようはある。しかし答えは一つしかない 不可能だ 何故ならここに林檎など無いからである 意味がわからない? その通りだ つまり、私にとっての諸君らはそういう対象だということだ それと相対的に、諸君らにとっての私もそう見えるのだろうね 理解できなさ過ぎて苛立ちさえ通り越し哀れにさえ思える 同じ種族だとは到底思えない程私と諸君らはかけ離れている だが私もやはりソレに一括りされる 「人間」とは、かくも惨めな生物である
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