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それぞれが自分の学科の教室へ行くがすぐに2人組で任務に向かう生徒らもいた。
「何の任務にするか決まった?」
「ほ、ほんとに決めちゃっていいの?」
月蛍さんのランクを考えて一緒に決めたほうが、と明日香。
「てきとーに選べばいいじゃん…それに合わせるって」
必要能力はA~Cと書いてあるものがほとんどでD~-Eは少ない。
-Eは能力無しの人達のこと。
「あ、これでいいかな」
一応、聞いてみた。
「てきとーに選べばいいやん」
うぅっ、これ会話になってないよね…
その時、ヒソヒソ話が私の耳に入ってきた。
‘能無情報が任務を選んでいるぞ’‘どうせ、足手まといだって’‘無理よね、Eランクだから’‘三年の事件だってアイツが犯人らしいし’‘マジかよ?危険じゃん’などと聞こえてきた。
月蛍の存在を否定する言葉ばかりだった。
月蛍を見る明日香。
何も聞こえてはいないフリをしていた。
実際は聞こえている、と明日香は思った。
明日香は目についた任務内容が書いてある紙を掴み、月蛍の手を引っ張って校内に出た。
「任務が決まったら教師らに参加印を「ごめんね」は?」
引っ張っていた手を離し、月蛍を抱き締めた。
「ごめんね、私が、私が選ぶのが遅かったから」
あの時の月蛍さんはとても泣きそうな目をしていたんだ
「……もう慣れた」
明日香の耳元でそう言った月蛍の声は震えていた。
慣れてない、なんて言うこともできたけれど…私は抱き締めるしかできなかった。
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