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教師らに参加印を押してもらったのはお昼頃だった。
「ったく、時間厳守の任務じゃなかったからよかったものの…」
不機嫌な月蛍の横に明日香が謝っていた。
「……ああいうことをされたのは君を含めて2回目だよ」
「え、そうなの?ちなみに誰?」
「三年前に死んだ姉だよ」
「え、あ…」
カミングアウトをしてくるとは思っていなかった。
「私を庇って死んだんだけどね」
無表情だが、その後の言葉に自分の耳を疑った。
「まぁ、その後に自分も銃弾に撃たれて死んだんだけど…」
「はい?」
少しの間が流れてから月蛍が口を開いた。
「冗談」
「え、どこから」
「三年前に姉が死んだのは事実、それ以外は冗談…三年前に死んでいるならここにはいない」
真顔で冗談を言われても反応に困った。
「それより、何の任務」
「ええ、とね…」
は!私、今、月蛍さんと普通に話している!?
「…おーい」
「は!え、と…」
任務内容:温泉地に現れる温泉猿を追い払う仕事で、能力ランクはできればB以上希望…取得単位は10。
、と簡単に書いてあった。
「月蛍さんがEランクなのに、よく先生達参加印を押してくれたね」
不思議だよ、と明日香。
「…まぁ、知ってるからじゃないかな」
、と遠目の月蛍。
「?」
「…とにかく、目的地へゴーだ」
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