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「おいおい、小と中はなんとかなるとして…」
豪気は月蛍という子を見てため息をついた。
「高・大は無理だろう?英は何を考えているんだ」
下手したら…、とまたため息をつく。
「いた!能無情報(クリアノイズ)、頼むからカードを渡してくれ!」
「カードを渡してくれ!」
「頼む!」
くりあのいず?Eランクなのに異名まであるの?と一年達が内緒話で言っている。
私は能力ランクがわかるところを観た。
アンテナマークとアルファベットでEと描かれた腕章があった。
アンテナマークは情報科のマーク。
異名がつくのはS、A、Bのランクだけ。
それ以下につくのは異常なこと。
もしかしたら、月蛍という子は‘Eランク’ではないんじゃないのかな?
「…純白の板に深紅の林檎、今もこの国の国旗」
は?と先生達は首を傾げた。
豪気はあ~、成程と言った。
明日香はあれ?と思った。
この時代に生きている人達は‘国の旗’を見ていない。
この学園だって学園の旗しかない…はず。
あるとすれば、高貴な者達が大切に保管している。
だとすれば、偉い人=校長か理事長…
「この国に国旗なんてあったけ?」
「あるとは聞いたことがあるが…」
「見たことはないなぁ」
「月蛍が持っているはずのカードはそこがあるところに置いてあるってとこか?」
、と豪気が言った。
「…正解」
先生達はドタバタと走って行った。
「風紀科は注意しなくていいの?」
私達は、?となった。
「‘廊下は走らずに歩きましょう’」
、と言って教室を出ていった。
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