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「!」
すると千里は何かを見つけ、廊下の窓から何かを言っている。
明日香と愛華は千里に近づいた。
「つーちゃん、伝言ゲームお疲れ様」
向かい側の校舎の屋上の柵にもたれかかっている月蛍がいた。
「…」
「つーちゃんは相手見つかった?」
「…」
「そっかぁ…」
え、今の無言でなんて言っているかわかるの!?
「リクちゃんは?」
「…」
「毎年同じって不思議だね」
「…」
「そうだよ、でも、リクちゃんの静止役はデュラン君だよね」
月蛍は無言のままだが、小さな欠伸をした。
「眠いの?」
「…」
「え?あ、ちょっと待ってて」
愛華の横にいる明日香に千里は聞いた。
「あの番号って見せてください」
「え、あ、はい」
明日香は千里に番号が書いてある紙を見せた。
そして、再び窓の外の月蛍に言った。
「す、凄いね、つーちゃん」
「…」
「え、帰るの?そっか、バイバイ♪」
その間、5分ちょっとだった。
「千里は凄いね」
「え?」
「うん、凄い」
何も月蛍って子は口開いていなかったのに、と私が言ったら千里は首を傾げた。
「え?普通に話しているだけですよ?愛華ちゃんも聞こえていましたよね?」
「うん、そうだね…というか、明日香…大丈夫?」
愛華にこいつ駄目だ目線で見られた。
「なんで、‘こいつ駄目だ目線’で見るんだよ!」
多分、遅かった。
気がつくのが遅かった。
千里にバレたかもしれない。
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