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暖かい風が頬を擽る季節。 サクラ高校は期待を胸に入学してきた生徒への部活勧誘で賑わっている。 ただ一例をのぞいてはー……。 「のぁあああああ!!何してんだあんたらは!」 サクラ高校南館二階の空き教室には顔を引きつらせ息を荒くする少女が大きな声を発していた。 空き教室に居た数名は気に留める様もなく各々自由に寛いでいるようだ。 「おいこら聞けや」 「んー?何をー?」 「私の話をだ!ばかわた!」 わたと呼ばれた彼は菅野わたる。 彼女に目を合わせる事なく膝の上に置いた雑誌を流すように見ている。 「怒るなよう、優沙ー」 そして、優沙と呼ばれた彼女は茅優沙。 「だったら話を聞け!」
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