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机の上に無造作に置かれた携帯電話をチラリと見てはぁっと深いため息をつく。
「とりあえず、私もちょっと見てくるからみんなはここに居て」
仕方ないと言わんばかりの顔でそう告げる優沙に対し「嫌です!」っと反論した一年生が居た。
夏河紀利
篠原折葉の幼馴染である。
みんなからはきりーと呼ばれている。
「そんな大人数で行ってもなぁ……んー、じゃぁ、頼める?」
「え?」
「きりーが折葉探して来てくれる?ついでにばかわたもね」
ぽんっと軽く優沙に頭を撫でられると嬉しそうに笑って折葉を探しに足を向けた。
* * * *
「……あれ?寝ちゃってた?」
中庭の大きな桜の木の下で篠原折葉は目を覚ました。
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