駄章

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 この様に打ち合わせと言っても場所は様々で、基本的には部室で行って貰うが依頼人からの要望があったり、今日みたいに偶々打ち合わせが被った場合は部室じゃ収まりきらない為校外で行われる事もしばしば。  もちろん校外で打ち合わせする場合でその日、次の予定が無い時は直帰してもいい事になっている。  わざわざ学校へ戻ると電車賃が余分に掛かる可能性もあるし、何より打ち合わせ後に学校に戻らないといけないと考えてしまうと依頼人との話し合いに集中出来なくなるかもしれないからだ。 「ふふっ、そんな透ちゃんはバイトの時間大丈夫なの?」  花憐姉さんがイタズラっぽく微笑みながら言った事で気が付いた。  部室の時計を見ると五時半を指している。  あれ? 遅刻じゃね? 「ヤバいどころの話しじゃねえ…ちょっと本当に時間ないから行ってくるわー」 「はい、行ってらっしゃい。」  微笑みながら俺に鞄を手渡してくる花憐姉さんマジ良妻賢母。 「んじゃ最後に出る人は戸締まりよろしくー」 「気を付けてね」  そう言い残し花憐姉さんに見送られながら、部活を存続させるべく我が部室を後にした。
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