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「な、なにか付いてます?」  俺が顔をじっと見ていた事により不安になったのか彼女、上代聡美は少し顔を赤らめ戸惑った声で聞いてきた。  うん、可愛い。 「ああ、すまん。 なんでこんな場所に天使がいるのかなって考えてた」 「大丈夫ですか? やはり毎日バイト入れるのは頑張り過ぎだとあれだけ言ったじゃないですか…うん、熱はありませんね。 少し疲れているだけですかね? とにかく今日の依頼人は私と兄で対応しますので、透先輩はもう家に帰って休んで下さい」  心配してくれるのは嬉しいけど、ここまで完璧に心配されたらなんか逆にすごくショック。 「あー、なんかごめんなさい。 冗談なのでもうこれ以上は止めて、申し訳なさで死にたくなるから止めて!」  それを聞いた途端、心配そうに覗き込んでいた顔を引っ込め普段以上に冷めた目で見下ろす聡美ちゃん。  あまりに対応の変化が早かった為、あれ? さっき俺の事心配してた子とは別の子?と一瞬考えてしまった。
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