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「なんですかそのドン引きした目は」  言葉通りドン引きした目です。 「大体、私は常に落ち着いています」  いや、今の聡美ちゃんが落ち着いてるなら俺は悟りを開いた仙人ですわ。 「はいはい、わかったから。 とりあえず話し進めていい?」  そう言うと聡美ちゃんはまだ少しだけ何かを言いたそうにしていたが渋々、といった感じで頷いてくれた。 「最近駅前に出来たっていうクレープ屋さんは――」 「ええ、勿論知っています。 あの生クリームの美味しいお店ですよね? あの店は後三種でコンプしますよ」  いや、生クリームが旨いかなんて知らないし、何よりオープンして三日なのに既にコンプ間近とか…、あの店に何種類のクレープがあるかは分からんが異常だろ。  流石クレープマニア。 俺以上に気持ち悪い。 「今日の帰りそのクレープ屋に行くから、聡美ちゃんも一緒に――」「行きます」  返事早いし近いし。 何この子怖い。
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