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「あ、あのもういいです。 私が間違っていました」  聡美ちゃんとは知り合って四年近くは経っていると思うのだが、その間見たこと無い程の蔑む目で言ってきた。 「分かればいいのだよ分かれば」 「なんか腹立ちますね…握り潰しますよ?」  何を!?とは言わない、真実を知るのが恐いからではない時間がないからだ。  真実を知るのが恐いからでは決してない。 「あー話変わるけどさー、今日の依頼人って何時に来るんだっけ?」 「五時なので…あ、もう十分もありませんね」  部室にかけてある時計を確認して依頼人を迎える準備を始める聡美ちゃん。  聡美ちゃんが準備を始めた事を確認し俺も準備を始める。 「あー、依頼人来るからみんな隣の部屋に移ってー」  恋愛部の部室は元々数年前まで音楽室だった場所で、部室の扉から向かって左手前側に準備室がある。  依頼人が来る時や、部室での打ち合わせがある場合、他の部員は準備室に待機してもらう。
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