駄章

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 恋愛部。  その名は聞くには珍しい、というか初めてだと思う。  俺が半年間、校長に土下座をし続けて創立させたこの部は恐らく、日本中の高校を探してもうちの学校にしかないだろう。  そして思う。  何故俺はあんな苦労をしてまでこの部を立ち上げてしまったのだろうか。 「あ゙ー…眠たい」 「今月の部の活動報告書…ちゃんとまとめたんですか、透先輩?」  部を立ち上げた事を後悔しながら部室の机でへばっている俺に対して冷たい声が降り注ぐ。 「んーああ…ほれ」  そんな声の主にあらかじめまとめておいた活動報告書を手渡す。 「…相変わらず早いですね」 「まあな、これ提出し損ねたら部無くなっちゃうし」  うちの学校は部活をするにあたって、文化部は活動報告と部活で作り上げた作品もしくは部活風景の写真を月に一度、提出しなければいけない。  もし、提出しなければ一週間の猶予期間を設けそれでも提出がなければ即廃部。
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