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「我が儘言ってごめんね佐藤君…」  そそくさと準備室と言う名のパラダイスへ向かう俺の背中に、いつものおっとりした松井の声が投げかけられた。 「大丈夫大丈夫、松井が本気ってわかったし…俺の方こそキツい言い方した、ごめん」 「大丈夫、私の考えが甘かったって気付けた。 佐藤君の御陰だよ、ありがとうね」 「んー、想い人と付き合えるといいな。 頑張れ」  そう言い終わりエアコンの効いた準備室へ入っていった。 「お゙え゙ぇー」 「おいぃ! 何で入ってきた瞬間えずいてんだよ!?」  準備室に入った直後に我慢していたラブコメ拒絶反応がここぞとばかりに襲ってきた。  それを見た達哉をはじめ部員達から罵倒される。 「いや、なんか久し振りに真面目に喋ったから」 「そういう事は廊下でしようね透ちゃん?」 「わざわざ密室でえずくなよ、廊下でしてこい透」 「汚いなあ… 廊下に出て下さいよ、佐藤部長!」 「透部長が入ってきたせいで人口密度が…」
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