二人の自衛官

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坂本はGPSを再起動させたが、やはりエラー表示が出るだけだった。 「坂本、俺達東に流されたって言ったよな」 田辺は地図を開く。 「降下ポイントから東に5キロ流されたとして、現在地がココ、で、合流ポイントがココだ…… ありゃありゃこいつは面倒な事になってきたぞ……」 横から地図を覗いた坂本も一言、うへ~、ともらした。 「この等高線、崖みたいですね…… しかも高低差は20メートル位ですかね…… どうしましょうか」 「お前の腕じゃちとキツイかもしれんな…… しかし空挺が救難を求める訳にもいかんだろ…… それに現在地だって正確な位置じゃないしな。 取り敢えずバラシュートを畳んで行ってみよう」 そういうと田辺は坂本のパラシュートを回収しに、さっきまで坂本がぶら下がっていた木にスイスイと上り、わずかな時間でパラシュートを回収した。 それから二人は田辺のパラシュートを回収した後、集合場所にむかい歩き出す。 「そういや田辺さん、弟さん元気ですか?」 田辺には10才も年が放れた弟がいた。 「ん?良治か…… あいつ高校生になってからバイクにハマッてな、最近じゃ登山に付き合ってくれなくなっちまった」 「しょうが無いっすよ、確か良治君高校二年生でしたっけ?内の妹と一つ違いですよね」 「ああ!美里ちゃんも高校生になったんだな…… あの子は可愛い子だから心配だろ?」 「あいつ顔は可愛いですがね、性格がちょっと…… あれで彼氏ができんのか逆に心配ですよ」 「ハハハ、まあ勝ち気な子みたいだからな! さて、我々は本隊と逸れてしまったが一応訓練中だ。無駄話はこれ位ににして早く本隊に合流しよう」 二人は地図を確認して、また早足で歩きだした。
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