新たな脅威への序章

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 上海市内の高層マンションの非常階段 「まって、パパ、速いよ! 追いつけない…」 「オユ! ダメだ、速くしなければ焼かれて死ぬ!  死ぬんだ! オユ、死んではダメだ!!」  そこには、一人のユーラシア防衛戦線の隊員と思われる兵士と、それにつれられた幼い少女がいた。 「で、でも…!」 「オユ! パパは、自分の命よりもオユの命、みんなの命が大切なんだ!  だから、死んではだめだ!! 絶対にダメだ!!」 「パパ…!」 「大丈夫だ、オユ! オユは強い子だ! パパの子だからな! さぁ、もう少しだ!」 「パパ…!」 「…オユ! さあ急いで!」  後ろの女の子は、肩で息を切らしながらも懸命に走る。  その先頭を、この女の子の父親らしき兵士が、必死に走る。  と、 「ヒッ!?」 「!」  この場所から、すでにその姿が見えるほど怪獣が近づいていたことに二人は気付いた。 「オユ! 急ぐんだ!!」 「うぅぅ…うん!!」  二人は、走る。  必死に、必死に走り、マンションから降りようとする。  ―――幸いなことに、すぐに二人はすぐに地上へとたどり着いた。
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