新たな脅威への序章

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「隊長!」 「遅くなった! この子を!」 「了解!  さぁ、この車の中へ!」  そこにいた他の隊員たちが、女の子をすぐに車へと誘導する。 「待って! パパも!」 「それはできない。」 「! パパ…?」  と、女の子の父親である隊員は、すぐにその車の隣にある『光弓』へと向かう。 「まって、パパ! 行っちゃダメ! 死んじゃうよ!」 「…ごめんね、オユ。  でも、パパは戦うのが仕事なんだ。」 「パパ!!」 「オユ! わかってくれ!」 「ヤダヤダヤダヤダ!! 嫌―――――――ッ!!」  必死に駄々をこねる女の子に、少しだけ悲しげな笑みを浮かべるその隊員。  ―――すでにこの時、もうかなり近くまでターリエロンは来ていた。  見ずともその圧倒的熱量と、破壊的な足音でわかるほどに。 「……オユは、いつもパパの制服姿がかっこいいと、人を守るために戦うのがかっこいいと言ってくれたね…?  …なら、かっこいいパパの方がいいだろう?」 「やだぁ!! パパ、行っちゃやぁだぁぁぁぁぁ!!!!」  泣きじゃくる女の子に、少しだけ優しく微笑み、そっと頭をなでる隊員。 「……この子を、頼む。」 「…隊長、自分が、」 「君は君の仕事をしたまえ。  私は…私の仕事をする。」 「あ!」  そして、それだけ言って、素早く『光弓』へ乗り込む隊員。 「ヤダ! まってパパ!」 「オユ! 帰ってくるから、いい子にしてなさい!」  そして、そのまま、怪獣へと向かい、発進していく。 「いや――――――ッッ!!!」  他の隊員たちに車に乗せられながら最後に見たのは、先進波冷却メーザーを放ちながら向かっていく戦車の後ろ姿だけだった。
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