第1話:隙(スキ)

20/30
前へ
/30ページ
次へ
「あ"ぁ~……もう最悪!!」 飛び起きた美羽ねぇちゃんは ここが家じゃない事に気づくと頭が 真っ白になったのか、頭に?を浮かべ 回りを見渡している。 「えっと…………、ここ何処?」 「俺の店。 上来てよ、朝御飯できてるから」 「いや、それより私仕事」 「ちょいちょい」 指差すと急いでねぇちゃんは振り返り、 壁時計はまだ7時。 「騙したな!!」 凄い形相で当たっても痛くない物を 次々投げてくるから交わしながら反論。 「こうでも言わなきゃ。 いつまでたっても起きねぇじゃん!!」 急に物が飛んでこなくなって、 ソファーから少し顔を出す。 「どうした?」 「気持ち悪い……あ"ぁ!!無理!!!」 美羽ねぇちゃんがダッシュで トイレに駆け込み、ドアが勢い良く 閉まると不覚にも笑ってしまった。 ガチャ 「楽しそうですね、 何かあったんですか?」 「いや、なんかさ、 あの人が年上に思えなくて。 手の掛かる妹みたいだ」 「ん……? あっ、これ、頼まれてたスーツ一式と ヒール24㎝買ってきましたよ」 「ありがとう、助かった。 なんか悪いな、朝から買い物頼んで」 入れ代わりで部屋に来た大地は トイレをちらみ見た。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加