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「僕でお役に立てて良かったです。
この辺りのブティックは10時から
営業開始ですから、融通が聞く店に
電話して開けてもらわないと、
間に合わないですからね」
「レシートは?」
「あとで渡します。
それより、お姉さんの方は
大丈夫なんですか?」
「いや~今は大丈夫じゃないと思うよ」
「ですね。
あっ、荷物ここに置いておきますね」
ソファーに荷物を置くなり、
昨日自分達が飲み散らかした物を
燃えるごみ用の袋に摘め始める。
その姿を横目にビール缶を机に置き
足の踏み入れ場所を作った。
「それにしてもビールジョッキ2杯で
あそこまで酔うとはもう歳かね?」
ガチャ
「だーれが歳だって!?」
不機嫌で出てきたねぇちゃんは
大地と顔を合わせ、
「あっ、どうも」
声をかけられるなり、
また静かにトイレに戻っていった。
「何やってんだよ!!早く出てこいよ!!
それこそ時間なくなるだろ!?」
「1時間もあれば余裕だもん!!」
思わずソファーを乗り越えトイレの
ノブを回してみるが中から鍵をされ
ガチャガチャ音がするだけで何度か
ドアを叩いた。
「いいから出て来いよ!!」
「あんたばっかじゃないの!?
こんな顔で出れるわけないじゃない!!」
「気にすんなよ!!
カウンターで寝たねぇちゃんを
ここまで運んだのは大地だし、
昨日ねぇちゃんの寝顔も見てんだよ!!
今さら恥ずかしがることねぇじゃん!!」
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