01 私と精霊と日記と

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ふと、今までだまって静かにしていた少女に宿る精霊が口を開いた。 『ねぇ、君はよく耐えたと思うんだ、だからボクが代わりに暴れてもいい?ボクは縛られるの大嫌いなんだ!』 人の言葉も話せるのに話さないと言うことは相当頭に来ているらしい、集落の人々は自分達が知らない言葉に少し動揺を見せた。 元々、精霊語を理解出来るのは精霊を宿す一部の精霊術士と偉い学者さんぐらいで小さな集落の人々は精霊が何を言ったか解らなかった。 「ふ、フーガ様は怒ってる!?このままだと皆に被害を出すかもしれない…」 震える声でそう告げたのはこの集落で少女を含め4人しかいない精霊術士の青年だった。 彼は宿った精霊こそよわいものの、精霊語はしっかりと理解できていたようで目には恐怖の色を浮かべていた。
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