01 私と精霊と日記と

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人々が見上げた上空には気絶して動かなかったはずの少女が浮かび、透き通るような緑髪を靡かせ、緑の瞳でしたの人々を睨み付けていた。 「そんな!?あのとき確かに意識を失ったはずなのに…。」 「それにあの髪と目…どういうことなの!?」 人々は少女の変貌ぶりに怯え驚愕の声を口々にこぼし始める。 少女の瞳と髪は元々は暗い茶色で緑ではなかった。 「『あんたたちは馬鹿だ、この子に最低なことをし続けた、それなのに今まで沢山助けて貰ったのに、この子のたのみは聞けないなんて… ボクはあんたたちを許す気はない、この子が眠っている今、ボクを止める人はだれもいないさ…』」 そういって笑う少女、否、少女に宿る風の精霊<フーガ>は一層風を強め、鋭くし、鎌鼬のように集落を無茶苦茶にした。
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