売店日和

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今日は晴れてて澄んだ青空。 3月とは思えない寒さが身にしみる。 私、佐藤香奈[さとうかな]。名蘭館大学付属名蘭館高校1年。入学してもうすぐ1年が経つ。制服も着慣れたかな? 名蘭館高校は、大学付属ということもあって在校生徒数がかなり多い。校舎は迷子になるほど広く、体育館も4つある。売店は、大きいコンビニって感じで 南側と北側に2つある。 香奈は、北側の売店がお気に入りで 今日も北側の売店へ行っていた。 友達の里佳子[りかこ]も一緒。 季節違いで寒かったせいか、 ホットドリンクコーナーに人が集まっていた。 「コーンスープ飲みたい」 「ちょっと、香奈!真冬じゃないんだからさ?」 「里佳子は飲まなきゃいいでしょ!」 里佳子はお節介多めで、いつも一言多い。 私はコーンスープが飲みたくて、陳列棚に進むのを待っていた。そうこうしているうちに、棚が見えてきてコーンスープが残り1本であることを知った。 私は私なりに必死で、どうしても飲みたかったので手を伸ばした が、手にとったのは誰かの手。 え?______ 缶じゃない。
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