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放課後の校舎ほど、静かなものはないと思うよ、俺は。 それともこの学校が静かすぎるだけなのか。 まあそれでも、小さな音をたててしまうだけでも響いてしまうから気をつけないとと最深の注意を払う。 「まだ見つかんねぇのか!」 角を曲がろうとしたら声が聞こえた。 間違いなく、味方の男たち。 とっさに隠れてしまったのは自販機の横。ちょースレスレ。 だけど何の因果か。 カラン……… 自販機の足元に置いてあった、恐らくは中身が空っぽの空き缶。 …が、俺の足にぶつかって、いや、俺の足がぶつかって……… コロコロコロコロ……… 自販機の前に姿を現してしまった。 「いたぞ!逃がすなー!」 何でだよ畜生! 誰だここに空き缶置いたやつは! 出て来い!怒らないから出て来い! その代わり呪ってやる! …なんて言う暇もなく。 俺の逃走劇は再開。
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