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屋上にいるからには、この空間を共有しなければならない。 距離を空けるにも違和感があるし失礼だし、かと言って距離を縮めるのも悪い。…色々と。 この距離がベストだと思って、寝る体勢へ。 …横になったのはいいものの、なんか、気になる。 何か、ってわけでもないんだけど。 閉じたまぶたをチラと開けて、容姿を再確認。うん、綺麗。 こんな奴いたっけってくらい綺麗。 学年別を示す上履きの色は俺と同じ二年生の赤。 でもすれ違ったことも見たこともない。 こんなに綺麗なら、目立つはずなのに。 白い首筋が俺の欲求を掻き立てる。 あー秋川に会いてーって。 触りたいーって。 早く放課後になれなんて念じたけど、俺はただの人間だ。不可能不可能。 ふと、チラと視界を掠めた手。 ーーードキッ 黙れ心臓。 今度は、不思議と思わなかった。 …どうやら、俺の直感はよく働いてくれるようだ。
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