happen1

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プシュ、と気の抜けたような音をたて電車の扉が開く、電車を降りれば赤く染まった夕日があたしを照らす。 駅のホームを出れば、賑わった商店街へと出る。 夜になると、駅前の商店街は人が溢れる。 仕事を切り上げたサラリーマンにOL、部活帰りの学生。 皆、皆、キラキラした何かを持ってこの商店街を闊歩する。 あたしはその光景を見る度にどこか妬ましい気持ちになって、そんな気持ちになる自分に嫌気が差して、部活帰りにこの道を通るのが嫌い。 ただ、今日は顧問の都合上部活中止。 だから、あたしは日の出ている夕方に帰れてる。 日が出ている商店街にはそんなに人はいない。 あたしは普段より少し足取りを軽くし商店街を通る、今日の商店街はあまり光っていない。 商店街を出れば、道は分岐し住宅街やらショッピングセンターへと出る。 あたしは夕日を背に住宅街へと入る、公園にはまだ子供たちが走り回って遊んでた。 家に着けば、台所から水の流れる音と包丁がまな板に当たる音が聞こえる。 ただいま、と言っても返事が返ってくることはない、聞こえていないんだろうな。 あたしは雑に靴を脱いでお母さんのいる台所まで早歩きで行った。 『お母さん、ただいま』 『あら、お帰り。今日早いのね、部活は?』 『休みになった』と言うと『そう』と返され『もうすぐご飯出来るから待っててね』と言われ、あたしは自室へと上がった。 自室に着くと制服のまま、ほぼ勢い任せでベットに寝ころぶ。 ベットの上に寝転がっていると自然と瞼が重くなり脳が寝る体制に入るのが分かった。 もう寝よう、と思えば自然と意識は飛んで行く。 意識が飛ぶ間際に『寒いね』と言えば『寒い』と返ってくる幸せが脳内で響いた。
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