オルゴールとベッドの女

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小さなベッドで 私は貴方を待っているわ 貴方が置いてった服を握りしめて 貴方が置いてった指輪をはめて 涙なんかとうに枯れ果てたわ それでも歌うの 愛の歌を 身体中に流れてた愛もないのに どこで覚えてきたんだろう 幸せな歌 呟けば帰ってくる? オルゴールみたいにずっと歌えば帰ってくる? 私にはそれしかないの 貴方がいると願って夢の中にいきたい でも眠れないから想像してみるの 他のものなんて見えないから 貴方しか見えないから 帰ってきてよ 私の傍に 外は嵐 雷は女の声? 雨と風は男のせい? 激しいから勘違いする それは違うと言いたくてベッドから出たい そんなはずないと言いたくてベッドから出たい でも出来ないの 貴方がいないから 貴方はあの時笑ってた 貴方はごめんと呟いた 私の泣きそうな声も届かないみたいで 私の辛い気持ちも届かないみたいで ドアが閉まったその時から 私の壊れたオルゴールみたいな歌が始まった
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