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カップルの女の子がチラリとこちらを見て、勝ち誇ったような笑みを浮かべる。 わざとらしく甘える姿にカチンときて顔を背けた。 窓の外に広がる空は、腹が立つ程に青くて。 目を細めて移した焦点は吊革を持つ手で止まる。 手首で揺れるゴールドの華奢なチェーンが、陽の光を受けてキラリと光った。 元気かな……。 私には不釣り合いなプレゼントしてくれた人とは、音沙汰がなくなって既に2ヶ月になる。 ……きっと、今でも彼は怒っているのだろう。 .
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