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『地元を離れなくたって、芝居はできますよ。 …………それとも、俺と別れる口実ですか?』 私の話を黙って聞いてきた要(かなめ)君は、長い沈黙の後、ポツリと呟いた。 彼は大学の演劇部の3年後輩で。 半年近く猛烈に迫られ、根負けする形で付き合い始めた。 年齢=彼氏居ない歴。 今思えば、その状況を覆したくて、彼を受け入れたのかも知れない。 要君が一体私のどこを気に入ったのかは解らなかったけど。 年下なのに、恋愛下手な私を懸命にリードしてくれるところや、向けられる笑顔の可愛さ。 単純に一緒に居るのが楽しかった。 .
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