プロローグ

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彼が一歩足を踏み出すと。 一斉に舞い上がる無数の光。 それを追うように、空を見上げた横顔。 ……どうしてだろう。 こんなにも、胸が締め付けられる。 彼はシャツの胸ポケットからルーペを取り出すと、ゆっくりと天に向かって手を伸ばした。 フラフラと彷徨う仄かな光が、ルーペの縁に止まってスローな点滅を繰り返す。 『…………お前となら、新しい世界が見られるかもな。』 その瞬間。 私は、恋に落ちた。 .
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