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「……オーディション?別の劇団と勘違いしてるんじゃない? うちは募集は行ってないけど。」 眉を寄せて溜め息を吐く彼女は、言葉にはしないけど迷惑オーラ全開で。 「で、でも、1時にこちらに来るようにと言われたんです!」 「誰に?」 ……まさかの展開。 萌の話なんて右から左だったし、劇団名は覚えていても、あの男の名前まではっきり覚えてない。 口ごもる私に、幾分厳しさの増した表情で話を切り上げようとする彼女。 「こういうゲリラ的な入団希望者が増え―――。」 「入れ。」 背後から聞こえた、その声は。 .
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