355人が本棚に入れています
本棚に追加
「……オーディション?別の劇団と勘違いしてるんじゃない?
うちは募集は行ってないけど。」
眉を寄せて溜め息を吐く彼女は、言葉にはしないけど迷惑オーラ全開で。
「で、でも、1時にこちらに来るようにと言われたんです!」
「誰に?」
……まさかの展開。
萌の話なんて右から左だったし、劇団名は覚えていても、あの男の名前まではっきり覚えてない。
口ごもる私に、幾分厳しさの増した表情で話を切り上げようとする彼女。
「こういうゲリラ的な入団希望者が増え―――。」
「入れ。」
背後から聞こえた、その声は。
.
最初のコメントを投稿しよう!